高ボリュームかつ高効率のプレス加工の要は、パンチプレスに正確かつ信頼性の高い方法で一貫して素材を供給する能力にあります。適切なフィーダーの選定は後付けのような決定事項ではなく、むしろ生産効率や部品品質、廃材の削減において極めて重要です。一般的に使用されるフィーダーにはどのようなものがあり、なぜNCサーボフィーダーがプレス機械の周辺装置として注目されているのでしょうか。それらについて見ていきましょう。
プレス加工で一般的なフィーダー：
1.エアフィーダー: 空気圧駆動で設計されており、低コストで使いやすく、軽作業や短尺の作業に適しています。このフィーダーは素材をバッチ式で送ります。比較的安価であるため、フィード長の正確な制御ができないことが多く、特に厚いまたは幅広の素材において一貫性に問題が出やすい傾向があります。
2.機械式ロールフィーダー：クランクおよびチェーンを介してパンチプレスに接続されるため、高い同期性を有しています。中作業用途に適しており、固定された一定の送り長さを備えていますが、送り長さの調整は機械的に行う必要があるため、工程変更に時間がかかり柔軟性が低下します。
3.ヒッチフィーダー：主に被加工材を間欠的に把持して引き出す必要がある、重厚なストックまたはコイルラインへの供給に使用されます。加速性能は比較的遅く基本的であり、高速の薄板用プログレッシブ金型の作業と比較して精度が低下する傾向があります。
NCサーボフィーダーの台頭：高精度と柔軟性の実現
NC（数値制御）サーボフィーダーは、近代的で効率的なプレス加工のニーズに直接応える独自の利点を提供することで、技術面での大きな進歩を示しています：
1.比類ない精度と再現性： 競争優位性。フィードロールは、ボールねじや高減速比ギアボックスなどの精密装置を介して高トルクサーボモーターによって駆動され、高い精度を実現します。フィード長の精度は、閉回路フィードバックにより、マイクロメートル単位の精度で達成されます。このフィードバックは位置をモニタリングし、自動的にリアルタイムで調整を行います。これは、技術的に進行型ダイ、狭公差、材料の廃棄を削減する上で非常に重要な役割を果たします。
2.無限のフィード長柔軟性： フィード長を変更するのは簡単です。制御システムに新しい数値を入力するだけで、機械的な操作やギア交換、停止時間を必要としません。これにより、迅速な作業変更（SMEDの原理）が可能となり、同一プレスラインでさまざまなサイズの部品をほとんど中断することなく生産できるようになります。
3.最適化されたフィードモード： NCサーボフィーダーは間欠的なフィードモードだけでなく、高度なモードも提供します：
●ステップフィード：各プレスストローク後に正確にフィード（通常）。
●ピッチ蓄積：プレス停止中（例えばコイル交換時）にフィーディングを行い、その後十分な速度で製造を進めることでギャップを解消します。
●プレス運転中フィーディング：プレス工程中に一部フィーディング動作を同期させること（ノン・ドウェルフィーディング）で、最大のライン速度を実現します。
4.材料へのストレスと廃材の削減： 材料を機械式フィーダーのように急激に動かす必要がないため、よりスムーズな加速・減速が可能になります。この繊細な取扱いにより、材料表面の傷や歪み（特に仕上げ済み金属において重要）、エッジの破損などが軽減され、優れた仕上がり製品が得られるとともに、スクラップが減少します。
5.プレスとのシームレスな統合： 最新のNCサーボフィーダーは、真正な周辺機器であり、パンチプレスコントローラーに直接通信します。密接な統合により、同時動作、安全インタロック、プレスプログラムに応じた自動フィード長設定、および同期スタート／ストップ操作が可能となり、ライン全体の効率性と安全性を実現します。
6. セットアップと操作の簡略化： シンプルなタッチスクリーンにより、フィード長、速度およびモードのプログラミングが容易になります。故障診断も簡単で、各種生産に応じたレシピを簡単に保存することが可能です。
7. エネルギー効率： サーボモーターはフィーディング動作時のみ作動し、他のシステムのように常に運転されるモーターとは異なり、エネルギー節約の可能性があります。
まとめ
エアフィーダーや機械式ロールフィーダーなどのよりシンプルなフィーダーが、要求の高くない用途においても引き続きニッチ市場を占めていますが、NCサーボフィーダーが持つ高精度、柔軟性、効率性の最適化、そしてロスの削減といった利点は、精度や生産性を追求する工程においては否定できません。連続的に正確なフィード長さを提供する能力、新規の作業に即座に投入できる動作性、プレス機との理想的な連携、素材への優しさなどにより、NCサーボフィーダーは競争力を意識した現代のプレス工場にとって欠かせない周辺装置となっています。NCサーボフィーダーへの投資は、品質、生産能力、低コスト運転への投資であると言えるでしょう。